「筋肥大なら8〜12回」——ジムではこのアドバイスが定番ですよね。自分も最初はそう教わりましたし、長い間それを信じていました。でも最近の研究を見ると、この「黄金のレップレンジ」はもう少し柔軟に考えてよさそうです。
従来の「筋肥大ゾーン」とは
昔からトレーニングの世界では、目的別にレップ数を分けるのが一般的でした。
| 目的 | レップ数 | 負荷(1RMに対する%) |
|---|---|---|
| 筋力向上 | 1〜5回 | 85〜100% |
| 筋肥大 | 6〜12回 | 67〜85% |
| 筋持久力 | 15回以上 | 67%以下 |
この分類は直感的にわかりやすいのですが、実はこれほど明確に線引きできるわけではないことが、近年の研究で明らかになっています。
エビデンスが示す「幅広いレップレンジ」
Schoenfeld らのメタ分析では、レップ数と筋肥大の関係を体系的にレビューしています。
Schoenfeld BJ, Grgic J, Van Every DW, Plotkin DL (2021). Loading recommendations for muscle strength, hypertrophy, and local endurance: A re-examination of the repetition continuum. Sports, 9(2), 32.
PubMed →この研究が示す重要なポイントは、筋肥大は幅広いレップレンジ(6〜30回以上)で起こりうるということ。ただし条件があります。それは、各セットを**十分な努力度(限界に近いところ)**まで行うことです。
つまり、30回で限界を迎える軽い重量でも、十分に追い込めば筋肥大は起きるんです。
では何が違うのか
レップ数による違いがまったくないわけではありません。
- 低レップ(1〜5回): 筋力向上に最も効果的。筋肥大も起きるが、関節への負担が大きい
- 中レップ(6〜12回): 筋肥大と筋力のバランスが良い。実用的で取り組みやすい
- 高レップ(15〜30回+): 筋肥大は可能だが、心肺系の疲労が先に来やすい。痛みや不快感が大きい
高レップでも筋肥大は起きますが、30回近くまで追い込むのはかなりキツいです。精神的にも辛い。実用性を考えると、6〜15回程度のレンジをメインにして、バリエーションとして高レップや低レップを取り入れるのがバランスの良いアプローチだと思います。
自分に合ったレップ数の選び方
セット間の休息時間の記事でも触れましたが、トレーニングは「続けられること」が大前提です。レップ数の選択も同じで、自分が楽しく取り組めるレンジを中心に据えるのが一番です。
自分の場合は、こんな感じで使い分けています。
- コンパウンド種目(スクワット、ベンチプレスなど): 6〜10回 — フォームを維持しやすい
- アイソレーション種目(カール、レイズなど): 10〜15回 — 関節への負担が少ない
- マシン種目: 10〜20回 — 安全に追い込みやすい
大切なのは「努力度」
レップ数そのものより重要なのは、各セットでどれくらい限界に近づいているかです。週間セット数の記事でも書いたように、ボリュームは筋肥大の主要因ですが、そのボリュームが「質の高いセット」で構成されているかどうかがカギになります。
20回できる重量で10回しかやらなかったら、それは「質の低いセット」です。逆に、10回が限界の重量で8〜10回やれば、レップ数に関係なく効果的なセットになります。
まとめ
- 筋肥大は幅広いレップレンジ(6〜30回)で起こりえます
- ただし、各セットを十分な努力度まで行うことが条件です
- 実用性を考えると、6〜15回程度をメインにするのがおすすめです
- 種目やトレーニング経験に応じてレップ数を使い分けましょう
- 「何回やるか」より「どれだけ質の高いセットを積めるか」が大切です
自分にとって心地よく、かつ効果的なレンジを見つけてみてください。
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