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腕(二頭筋・三頭筋)を効率的に太くする方法 — エビデンスベースの種目とボリューム

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「腕を太くしたい」——筋トレを始めた人の多くが一度は思うことじゃないでしょうか。自分もそうでした。とにかくカールをひたすらやっていた時期がありますけど、今振り返ると、もっと効率的なやり方があったなと思います。

今回は、二頭筋と三頭筋の解剖学を踏まえて、エビデンスに基づいた効率的な腕トレーニングの方法を整理してみました。

腕の筋肉を理解する

上腕二頭筋(バイセプス)

上腕二頭筋は名前の通り2つの頭があります。

  • 長頭(long head) — 腕の外側に位置。腕を太く見せるシルエットに関与
  • 短頭(short head) — 腕の内側に位置。力こぶのピークに関与

どちらも肘の屈曲(腕を曲げる動作)と前腕の回外(手のひらを上に向ける動作)に関わります。

上腕三頭筋(トライセプス)

上腕三頭筋は3つの頭を持ち、腕の太さの約2/3を占めています。ここがポイントで、腕を太くしたいなら二頭筋よりも三頭筋のトレーニングが重要なんです。

  • 長頭(long head) — 内側に位置。肩関節と肘関節をまたぐ二関節筋
  • 外側頭(lateral head) — 外側に位置。腕の外側のシルエットを形成
  • 内側頭(medial head) — 深部に位置。すべての肘伸展動作で活性化

コンパウンド種目だけで腕は十分か?

ベンチプレスやロウイングなどのコンパウンド種目でも二頭筋・三頭筋は使われます。「だからアイソレーション種目は不要」という意見もありますが、研究はそれを支持していません。

Barbalho M, Coswig V, Steele J, et al. (2020). Evidence for an upper threshold for resistance training volume in trained women. Medicine and Science in Sports and Exercise, 52(3), 515-522.

PubMed →

コンパウンド種目に加えて腕のアイソレーション種目を追加することで、腕の筋肥大がさらに促進されることが複数の研究で示されています。特に中級者以上のトレーニーにとって、コンパウンド種目だけでは腕の成長が停滞しやすいというのが現在のコンセンサスです。

二頭筋に効果的な種目

バーベルカール

二頭筋トレーニングの基本です。高重量を扱えるので、メカニカルテンションを稼ぐのに適しています。ストレートバーでもEZバーでもOKですが、手首に痛みが出る人はEZバーの方がいいかもしれません。

インクラインダンベルカール

Oliveira LF, Matta TT, Alves DS, et al. (2009). Effect of the shoulder position on the biceps brachii EMG in different dumbbell curls. Journal of Sports Science and Medicine, 8(1), 24-29.

PubMed →

インクラインベンチに座った状態でカールを行うと、肩が伸展した位置で二頭筋(特に長頭)がストレッチされた状態で負荷がかかります。この研究では、インクラインカールが二頭筋長頭の活性化において高い効果を示しました。

ハンマーカール

手のひらを内側に向けた状態(ニュートラルグリップ)で行うカールです。二頭筋だけでなく、腕橈骨筋(前腕の筋肉)も強く働くため、前腕を含めた腕全体の太さに貢献します。

三頭筋に効果的な種目

ケーブルプッシュダウン

三頭筋のアイソレーション種目として最もポピュラーです。ロープアタッチメントで行うと、最終ポジションで手首を外に広げることで外側頭の収縮を強調できます。

オーバーヘッドトライセプスエクステンション

三頭筋の長頭は肩関節をまたぐ二関節筋なので、腕を頭上に挙げた状態で行うと長頭がストレッチされた状態で負荷がかかり、特に効果的です。

Maeo S, Wu Y, Huang M, et al. (2023). Triceps brachii hypertrophy is substantially greater after elbow extension training performed in the overhead versus neutral arm position. European Journal of Sport Science, 23(7), 1240-1250.

PubMed →

この研究では、オーバーヘッドポジションでのトライセプスエクステンションが、ニュートラルポジション(プッシュダウンなど)と比較して、三頭筋長頭の筋肥大が有意に大きかったことが報告されています。

スカルクラッシャー(ライイングトライセプスエクステンション)

ベンチに仰向けになってバーベルやEZバーを額の上で上下させる種目です。三頭筋全体にバランスよく効きます。肘への負担が気になる人は、重量を控えめにしてコントロール重視で行いましょう。

ボリュームの目安

週間セット数の考え方でも書いていますが、腕のトレーニングにも適切なボリューム設定が大切です。

部位直接的なセット数(週)補足
二頭筋8〜14セットロウイング系の間接的な刺激を含めるとさらに多い
三頭筋8〜14セットプレス系の間接的な刺激を含めるとさらに多い

コンパウンド種目からの間接的な刺激も計算に入れると、直接的なアイソレーション種目は週6〜10セット程度で十分な場合が多いです。

重要

腕は回復が比較的早い部位なので、週2〜3回に分けてトレーニングするのも効果的です。ただし、セット間の休息時間は適切に確保して、各セットの質を維持しましょう。

実践的なプログラム例

二頭筋(週2回合計)

セッションA

  1. バーベルカール — 3セット × 8〜10回
  2. インクラインダンベルカール — 2セット × 10〜12回

セッションB

  1. ハンマーカール — 3セット × 10〜12回
  2. ケーブルカール — 2セット × 12〜15回

三頭筋(週2回合計)

セッションA

  1. オーバーヘッドケーブルエクステンション — 3セット × 10〜12回
  2. ケーブルプッシュダウン — 2セット × 12〜15回

セッションB

  1. スカルクラッシャー — 3セット × 8〜10回
  2. ロープでのプッシュダウン — 2セット × 12〜15回

よくある間違い

腕トレーニングでありがちなミスをいくつか挙げておきます。

  • 重すぎる重量でのカール — チーティング(反動)が大きくなり、二頭筋への刺激が減ります
  • 三頭筋の軽視 — 腕の太さの2/3は三頭筋。カールばかりでは腕は太くなりません
  • ストレッチポジションの軽視 — インクラインカールやオーバーヘッドエクステンションのような、筋肉が伸びた位置で負荷がかかる種目を取り入れましょう
  • ボリュームの過多 — コンパウンド種目からの間接的な刺激を考慮せずにアイソレーション種目をやりすぎると、回復が追いつきません

まとめ

  • 腕の太さの約2/3は三頭筋。二頭筋だけでなく三頭筋もしっかり鍛えましょう
  • コンパウンド種目だけでは腕の成長に限界がある。アイソレーション種目の追加が効果的です
  • 二頭筋はインクラインカール、三頭筋はオーバーヘッドエクステンションのような、ストレッチポジションで負荷がかかる種目が特に有効です
  • 直接的なアイソレーション種目は週6〜10セット程度を目安に
  • チーティングを避け、コントロールした動作で質の高い刺激を入れましょう

正しい種目選択と適切なボリュームで、効率よく腕を育てていきましょう。焦らず、コツコツと。

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